アイアンマン(洋画)

投稿者: | 2021年8月6日

『アイアンマン』
監督 ジョン・ファブロー
出演 ロバート・ダウニー・Jr
   グウィネス・パルトロー
   ジェフ・ブリッジス
   テレンス・ハワード

≪おすすめしたい人≫
アメコミ実写化=絶対駄作と思っているSF好き
アクション・ギャグの両立が出来ている映画好き
スカッとしたラストの映画好き
ロバート・ダウニーJr好きな女性ファンでも

≪ストーリー≫
トニー・スターク(ダウニーJr)は、父がオバディア・ステイン(ブリッジス)と
共に築き上げたアメリカ合衆国No.1の兵器製造会社、
スタークインダストリーズの2代目社長。
“死の商人”とも呼ばれ「兵器を売った金で医療が発展できるのだ」と、
戦争を全面的に肯定する意志の揺るがないタイプのやり手社長で、
女遊びも豪快。完璧な仕事をこなす美人秘書のペッパー・ポッツ(パルトロー)も
毎晩のことのようで慣れっこのようだ。
そんな彼が、新兵器のプレゼンでアフガニスタンに来ていたが、
その後ゲリラ・テンリングスに襲われ、自らの兵器工場で致死率を高くするために
開発された高性能なミサイルで自身が傷付き、拉致されてしまう。
本来なら死んでいたはずだが、同じく囚われていた科学者
インセン(ショーン・トーブ)によって胸に電磁石を埋め込まれ、一命を取り留めたのだった。

テンリングスの目的は彼に新型のジェリコミサイルを作らせることであったが、
彼らの目を盗んで、人の人生を50回繰り返せるほどのエネルギーを生み出す
熱プラズマ反応炉“アークリアクター”の超小型化を
設備も全く整わないような洞窟内でやってのける。
それをペースメーカーとして胸に埋め込んだ彼は、インセンの協力も得ながら
この状況から脱出するためのパワードスーツのプロトタイプ“マーク1”を完成させ、
辛うじて事なきを得るのだった。

救出され帰国した後、彼は自身の開発した武器が米軍の若い兵士を殺し、自らの命をも
奪われかけたことに疑問を感じ、記者会見を開いて工場の閉鎖を発表。
メディアやオバディアが大騒ぎする中、
彼自身は自らが作ってしまった兵器を破壊するための兵器、
パワードスーツマーク2以降の開発に着手するのであった。
(この時点では“アイアンマン”という名称は付けられていない)

≪みどころ≫
タイトルへの入り方。兵器開発に関しての罪悪感は一切なかった冒頭の、
女好きで成金なクセに愛嬌があり憎めない社長と兵器開発中止への決断の早さ。
カッコ良くビシッと決めていた彼が、ゲリラに捕まって一転、
ボロボロのオッサンになる場面。マーク2開発中シーン。
堅物でありながら酒を飲んでしまうと絡みまくってくるローズ中佐(テレンス・ハワード)や、
女遊びが好きなくせに秘書との関係は進展させられない
もどかしいラブシーンや、その他盛だくさん。

≪レビュー≫
原作は中学時代に渡米した時に買った1冊のみしか読んでません^^
アメコミヒーロー映画と言えば、自分は故クリストファー・リーブの
スーパーマン3辺りからですが、露骨にSFだと分かる1990年代初頭の
特撮映画くらいまでは好きでした。その後ミニチュアや合成のSFXではなく、
CGに頼り始めた頃の映画には一切魅力を感じなかったし、
実際に技術のみを押し出して役者の演技は二の次になってしまった映画が
どうしても評価できず、よって、1990年代ものでも好きなSFはありますが、
コミックの実写化は成功と呼べるものが少なかったのも事実なのは、
映画好きならご存知だと思います。

このアイアンマンに関しても、
「ロバート・ダウニーJrが好きだから一応適当に観てみるかな」程度だったのですが、
一気にひっくり返されました。久々にワックワクしながら観たSF大作といった感じ。
ヒーローもので、しかも1作目なので状況説明を分かりやすくする為、
ストーリーは非常にシンプル。

自分の盲信してきた兵器開発を省みる機会が宿命的に訪れ、改心。
自らを生かすパワーの源アークリアクターと
それによって稼動させることが可能になるパワードスーツ“アイアンマン”を使って、
自らの作り出した兵器を使うテロリストやそれらに絡む黒幕を見つけ
倒していくという勧善懲悪・単純明快なストーリーを
米空軍ローズ中佐との友情や秘書ペッパーポッツとの恋愛でより面白くしています。

特にこの映画の山場は、自分の中ではラストではなく、
中盤の工場閉鎖後に自宅でスーツ開発をし始めてから、マーク2完成までだと感じてます。
この開発中のシーンがSF好きなら特にワクワクすると思います。
戦闘シーンでもないのにね^^
彼が大学卒業前に開発した人工知能を搭載したお手伝いロボ、
不器用アームの不器用さ具合に「かわいい^^」なんて思ってしまったアナタ、
それはもう“ロボ萌え”というヤツですw
また、マーク2完成直後に銀色に輝くスーツを着るシーンがあるのですが、
その後、“あること”をしている最中の彼の喜びようったら、
僕も同じように叫びそうでした。
あのシーンが一番好きですね^^(どんなシーンか言いたいなあw)
BGMもゴワアアっと盛り上げてくれます。

特撮やCGはもう当然のものとして観て、大事なのはやっぱりダウニーJrの演技です。
彼自身、かなりアメコミ『アイアンマン』の大ファンで、
他の若いオーディション参加者の中で見事スターク社長役を勝ち取ったのは有名な話
(DVD特典でも関連の内容は楽しめました)。

軍事産業の存在の正当化と盲信が揺るがなかった彼は、
逆にそれらを破壊し真の平和の為の兵器開発をする訳ですが、やはり決して揺るがない。
天才で完璧の社長というと“堅く冷たい”イメージをしてしまいそうですが、
天才で完璧でありながら、シュールなジョークも欠かさず、
ダウニーJrの人間味溢れるその演技が、トニー・スタークというキャラクターを
“信じたことに突き進む熱い社長”に仕上げきっている。

元もとのキャラクター設定を活かし切れたのは
ロバート・ダウニーJrだったからだと感じさせてくれる。
「アイアンマンなんて全く知らない、アメコミ実写映画なんか嫌い」そんな人でも
存分に楽しませてくれる映画です。
やはり大事なのは映像技術じゃない。
ブログの趣旨が違うので詳しくは書けませんが、
例えばロボットアニメでも、単にロボットがカッコいいから観るんじゃない。
そうじゃなくて、そのパイロットが熱いから
ロボットもかっこよく見えるんじゃないかと思うんです。
このアイアンマンもそう。ダウニーの演技が熱く、
脇役のパルトローがびくびくハラハラさせたり、ハワードがニヤニヤしたり、
ブリッジスが強欲な怖い演技で脇から固めてくれてるからこそ盛り上がる。
そして、それらの演技を見逃さないよう編集してくれてるから観客に伝わる。
だからあのスーツがかっこよく見えてしまうワケですよね。
役者が違ったらハマらなかっただろうと思います。でも、大味過ぎる映画ですけどね^^;

ああは言ったものの、やっぱりこの次元まで来たCG技術と
それを表現するHUDなどのデザインは、見るものを釘付けにする大きな要素のひとつを
キッチリ担ってくれていたんだと改めて思います。
そう考えると・・・・・・SFに全く興味なく、
出演者にも興味がなければ無用な映画ですね・・・^^;
あれ???落としてしまったw

また、遊び人な場面のカットは、社長の突き進む性格とペッパーとのラブストーリーを
より強調させてくれて良かった。逆に、ローズ中佐が社長を助けるシーンのカットは
友情を感じさせるシーンを減らす結果になってしまったが、出演料の都合だろうか?

ええねん!ロバートが渋いからそれでええねんw
ええねん!ロバートがかっこいいからそれでええねんw

個人的には2より1のがワクワク感は上でした^^

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です