リトル・ミス・サンシャイン(洋画)

投稿者: | 2021年9月11日
監督 ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ヴァリス
出演 アラン・アーキン
    アビゲイル・ブレスリン
    スティーブ・カレル
    トニ・コレット
    グレッグ・キニア
    ポール・ダノ

≪おすすめしたい人≫
コメディ好き・シュールなネタ好き・ロードムービー好き・人間ドラマ好き
分かりやすいギャグを求めている人には向いていないかな?

≪ご飯食べながら観られるか?≫
好きなだけ食べながら観て欲しいです^^
フライドチキンやアイスはオススメw劇中でも食べてます^^

≪ストーリー≫
独自の自己啓発プログラムを売り出し中で世の中実力主義だと説き、
家族からため息の父リチャード。
娘や家族との生活に若干てんてこまい気味の母シェリル。
ミスコンに夢中の素直なポッチャリ娘オリーブ。
愛する男性に振られ自殺未遂したプルースト学者である叔父フランク。
ニーチェに傾倒し無言を保ちながら
空軍のテストパイロットを目指すドウェイン。
口が悪くドラッグ中毒で老人ホームを追い出されたの祖父エドウィン。

ある日、オリーブがカリフォルニア州のミスコン
“リトル・ミス・サンシャイン”に出場する権利が得られた
との連絡が入るところからオンボロのバンでの6人旅が始まる。
家族の結束もバラバラ気味でケンカが絶えないこの家族の
全然楽しめなさそうなこの旅が一体どう展開していくのか?


≪みどころ≫
演技派俳優勢揃いです!
それぞれ独特なキャラを持ち、全員のキャラが立ち過ぎてまとまりがない、
かのように見えるが、持ち前の性格を維持し続ける演技ではなく、
俳優全員の喜怒哀楽が楽しめる。
個人的に好きなのは、旅の途中に寄るレストランのシーンで、
アイスクリームを食べることを止めさせようと皮肉を言うリチャードと、
しょんぼりとアイスを食べるのを止めようとするオリーブ、
そして落ち込む娘を元気付けようと美味そうにアイスを食べる他の4人。
ギアが壊れて3速に入れられるスピードまで全員で走りながら押し、
一人ひとり飛び乗るシーン。そして、旅中で一人ひとりに起こる悲しみと
それを昇華させる家族一丸のラストの●●●。

コミカル且つ、長い旅を表現しきったマイケル・ダナの音楽と
それを絶妙のタイミングで流す編集。音楽は比較的ハッキリと情景の
明るさや暗さを表しているのだが、それでもどこか滑稽さを感じさせるBGMが、
どの場面でも、この映画がコメディだということを忘れさせない。

短く些細なカットも繊細に挿入し、それがコメディとして、
時にドラマとしてのバランスを非常に上手く取っている。


≪レビュー≫
面白かったなあ、けどもう少し観ていたかったなあと、旨いものを食べたけど、
強制腹八分目にさせられた感じで感心していたら、アカデミー脚本賞獲ってた(笑)。
アラン・アーキンもアカデミー助演男優賞獲得。
ギャグ映画ではなくてシュール寄りの作品なので、コメディと言いつつ、
人間ドラマとしても観られます。とは言え、ゲラゲラ笑えますけど^^

家族一人ひとり(シェリルは大声でケンカする場面もあるものの
家族のクッション的存在でもある)がそれぞれ、
普通は他人に虐げられそうな欠点を持ち、それをお互いに否定したりしてるものの、
各自自覚してフッ切り成長、束ねられ、一緒にテンションを上げていく
というまとめ方、1時間30分程度でよく出来たなあ。

どの演技に注目して欲しいって言えないんですよね、
役者の喜怒哀楽が全て観られる映画は。全部に注目して欲しい。
また、これだけ脇を張るのが得意な役者が集まり、
登場人物も多いと、注目してみるべき視点(それぞれのキャラの気持ちで見る)も
多いので、見ごたえもあります。それぞれの役割を活かした接し方、
例えば、母が泣いている時にフォローしてやれと妹を推す兄、
兄が泣いている時に娘を行かせる父など、家族愛の映画としても観られる。

これは、1度観て終わりというよりは、色んな見方で何度も楽しみたい作品。

※ところで、終盤にスティーブ・カレルとポール・ダノが話している海岸辺りって、
 マイケル・ダグラスとロバート・デュバルの『フォーリング・ダウン』の
 ラストと同じ場所かな?

それにしてもくたびれて口角の下がったオバサン臭い役やらせると、
トニ・コレットって完璧ですね。
煩わしい堅物なのに時に弱々しい表情をするグレッグ・キニアも。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です